2017年 Accept論文
Anti-tumor efficacy of oncolytic reovirus against gastrointestinal stromal tumor cells.
受理日: |
2017年12月3日 |
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Authors: |
Inagaki Y, Kubota E, Mori Y, Aoyama M, Kataoka H, Randal NJ, Joh T. |
雑誌名 |
Oncotarget. |
コメント |
自然界に存在して人体に対してほぼ無害のウイルスであるレオウイルスは、様々な癌種に対して有効性が示されており世界で臨床試験も行われています。今回GIST(Gastrointestinal Stromal Tumor)に対する有効性を初めて報告することができました。将来、切除不能な薬剤耐性のGISTに対する治療選択肢の1つになり得たらと考えております。ご指導いただきました先生方、実験に協力していただいた方々に深く感謝申し上げます。(稲垣) 腫瘍溶解性ウイルス、レオウイルスのGISTに対する有効性を報告した論文です。本論文では、イマチニブへの2次耐性を獲得したGISTに対してもレオウイルスが有効であることを明らかとし、治療選択の乏しいGISTに対する新たな治療optionとしてのレオウイルスの可能性を示すことができたと思います。レオウイルスを供与いただいたカルガリー大学のRandy教授、共同研究者の先生方に厚く御礼申し上げます。(久保田) |
Nocturnal reactive hypoglycaemia well treated subjectively and objectively with voglibose.
受理日: |
2017年10月4日 |
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Authors: |
Koyama H, Ohguchi H, Yagi T, Imaeda K. |
雑誌名 |
BMJ Case Reports. |
コメント |
こちらに赴任して間もなく入院で担当した症例で、このように論文化できたことを嬉しく思います。今枝先生、八木先生、大口先生ありがとうございました。(小山) |
Covered duodenal self-expandable metal stents prolong biliary stent patency in double stenting: the largest series of bilioduodenal obstruction.
受理日: |
2017年8月28日 |
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Authors: |
Hori Y, Naitoh I, Hayashi K, Kondo H, Yoshida M, Shimizu S, Hirano A, Okumura F, Ando T, Jinno N, Takada H, Togawa S, Joh T. |
雑誌名 |
Journal of Gastroenterology and Hepatology. |
コメント |
悪性胆道・十二指腸狭窄に対し胆管・十二指腸ダブルステント留置を行った症例の解析を行わせていただきました。胆汁膵液の流出障害に伴う合併症への懸念やre-interventionの内視鏡治療の困難さから、ダブルステントの十二指腸ステントはUncovered SEMSが一般的に選択されています。そのような背景の中、Uncovered SEMS留置に伴う高頻度の逆行性胆管炎・閉塞性黄疸が近年問題視されていました。当グループ関連施設では以前より、林香月先生を中心に十二指腸狭窄にはCovered SEMSを使用してきました。今回、十二指腸にCovered SEMSを使用することにより、胆管SEMSの開存期間が延長するということが証明できました。当グループの長い歴史に携わらせていただけたこと、ならびにご協力いただきました関連病院の先生方に深く感謝申し上げます。(堀) 悪性胆道・十二指腸狭窄に対する胆道ドレナージ法としては、EUS-BDを選択した方がいいという考え方が主流になりつつある中で、十二指腸にCovered SEMSを使用することにより、経乳頭的な胆管ドレナージも選択肢の一つになり得るという悪性胆道・十二指腸狭窄に対する治療法に一石を投じることができる論文です。我々のグループで行ってきた治療法の有用性を証明することができた価値のある論文だと思います。(内藤) |
Prospective Autoimmune Hemolytic Anemia Obscured by the Obstructive Jaundice Associated with IgG4-related Sclerosing Cholangitis in a Patient with Type 1 Autoimmune Pancreatitis: A Case Report and Review of the Literature.
受理日: |
2017年8月17日 |
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Authors: |
Yoshida M, Marumo Y, Naitoh I, Hayashi K, Miyabe K, Nishi Y, Fujita Y, Jinno N, Hori Y, Natsume M, Kato A, Iida S, Joh T. |
雑誌名 |
Internal Medicine. |
コメント |
1型自己免疫性膵炎(type 1 AIP)の経過中に、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の合併が明らかになった症例をcase reportとして報告しました。溶血による黄疸が閉塞性黄疸のためにマスクされ、さらにtype 1 AIPに対する初回ステロイド治療が潜在的なAIHAにも効果があったため結果的にAIHA合併の診断に時間を要した経験について、既報のまとめとともに報告しました。臨床診断から論文に至るまで、血液内科の先生にもお力添えいただき、診療科をこえて関わったすべての先生方に深く感謝申し上げます。(吉田) |
Prospective comparison of preference and efficacy of adalimumab and infliximab for treating ulcerative colitis naive to antitumor necrosis factor therapy.
受理日: |
2017年7月9日 |
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Authors: |
Mizoshita T, Katano T, Tanida S, Hirano A, Miyaki T, Ozeki K, Suzuki Y, Sugimura N, Kataoka H, Joh T. |
雑誌名 |
Medicine (Baltimore). |
コメント |
難治性潰瘍性大腸炎症例での2つの抗TNF-α抗体製剤(アダリムマブとインフリキシマブ)の選択・治療成績に関する前向き研究です。関連病院の先生方にもご協力いただきました。特に、豊川市民病院の宮木知克先生、名古屋市立西部医療センターの平野敦之先生、お忙しい中いろいろありがとうございました。(溝下) |
Suspected case of lipoedema in Japanese woman with a characteristic histology in skin biopsy.
受理日: |
2017年8月16日 |
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Authors: |
Koyama H, Tanaka T, Imaeda K |
雑誌名 |
BMJ Case Reports. |
コメント |
臀部~下肢に脂肪が過剰に蓄積するlipoedemaという日本人には非常に珍しい症例を経験し、論文化することができました。関わった全ての先生方に感謝いたします。(小山) |
Expression and subcellular localization of AT motif binding factor 1 in colon tumours.
受理日: |
2017年7月1日 |
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Authors: |
Kataoka H, Miura Y, Kawaguchi M, Suzuki S, Okamoto Y, Ozeki K, Shimura T, Mizoshita T, Kubota E, Tanida S, Takahashi S, Asai K, Joh T. |
雑誌名 |
Mol Med Rep. |
コメント |
当学,分子医学研究所の三浦 裕先生がクローニングされた転写制御因子ATBF1が,Sunらにより新規の癌抑制因子であることが報告されました(Nat Genet, 2005).本論文は,三浦先生が獲得されたNEDOの資金で作成された多数の抗ATBF1抗体のうちの4種類を用いて,大腸serrated adenoma, 腺腫,癌における発現,そして,ATBF1のN末端,C末端側の切断,さらにそれらのfragmentの腫瘍細胞内での局在(核 or 細胞質)を検討したものです.共同研究者の皆さま,特に三浦先生始め, 新潟労災病理の川口先生,名市大病理の鈴木周五先生に厚く御礼申し上げます。(片岡) |
Novel non-canonical genetic rearrangements termed “complex structural variations” in HBV genome.
受理日: |
2017年6月12日 |
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Authors: |
Fujiwara K, Matsunami K, Iio E, Nojiri S, Joh T. |
雑誌名 |
Virus Research. |
コメント |
大学院の学位論文で報告したB型肝炎ウイルスに起こる非常にまれで特殊な遺伝子変化についてさらに詳細な検討を行い、また真核細胞で報告されている新しい遺伝子変化の概念を取り入れることで、B型肝炎ウイルスに起こる新しいタイプの遺伝子変化としてまとめることができました。今後さらにB型肝炎ウイルスの複製メカニズムとの関連や臨床病態への影響につき検討を続けたいと考えています。(藤原) |
New photodynamic therapy with next-generation photosensitizers.
受理日: |
2017年1月4日 |
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Authors: |
Kataoka N, Nishie H, Hayashi N, Tanaka M, Nomoto A, Yano S, Joh T. |
雑誌名: |
Ann Transl Med. |
コメント: |
これまで当科で行ってきました次世代光線力学療法の開発研究のinvited reviewです。これまで御世話になりました共同研究者の方々、また実際に当研究室で頑張った大学院だった先生方に厚く御礼申し上げます。(片岡) |
Mechanisms of PTHrP-induced inhibition of smooth muscle contractility in the guinea pig gastric antrum.
受理日: |
2017年5月29日 |
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Authors: |
Ohguchi H, Mitsui R, Imaeda K, Joh T, Hashitani H. |
雑誌名: |
Neurogastroenterology & Motility. |
コメント: |
全身の正常組織で発現が認められるPTHrPは、平滑筋組織においてAutocrine/Paracrineで作用する弛緩物質であることが報告されています。今回の研究では、モルモット胃前庭部輪走筋において、PTHrPの弛緩反応に新たに胃筋層間神経叢のNO神経が関与していることを報告させていただきました。現在においても、完全には理解されていない胃適応性弛緩のシグナル伝達経路の解明に寄与できればと考えています。ご指導いただきました先生方に心より感謝申し上げます。(大口) 胃運動障害と副甲状腺ホルモン関連ペプチドという一見関係のなさそうな二つ事象をうまく結び付け、持ち前の粘りと緻密さで神経からのNO放出機構が関与していることを証明してくれたことが、論文化への成功のポイントだったと思います。電気生理学的な実験の指導をしていただいた橋谷光先生(当学生理学教室)、免疫染色による組織学的な検討を指導していただいた三井烈先生(当学生理学教室)に深謝申し上げます。(今枝) |
Percutaneous transhepatic self-expanding metallic stent placement for malignant afferent loop obstruction.
受理日: |
2017年5月15日 |
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Authors: |
Jinno N, Naitoh I, Nagura Y, Fujioka K, Mizuno Y, Momose J, Ooyama M, Hayashi K, Miyaki T, Nakamura M, Joh T. |
雑誌名: |
Intern Med. |
コメント: |
閉塞性黄疸を伴う輸入脚閉塞症に対し、経皮経肝ルートを用いて消化管ステントを留置し、QOLの改善が得られた症例を報告させていただきました。内視鏡的なアプローチが困難な症例での治療法の選択肢になればと思います。ご指導いただきました先生方には心より御礼申し上げます。(神野) 閉塞性黄疸を伴う輸入脚症候群に対して経皮経肝ルートを用いて、消化管ステントを留置した報告で、内視鏡的到達困難例の治療optionになると思います。神野先生お疲れ様でした。(内藤) |
Maltotriose conjugation to a chlorin derivative enhance the antitumor effects of photodynamic therapy in peritoneal dissemination of pancreatic cancer.
受理日: |
2017年3月8日 |
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Authors: |
Kato A, Kataoka H, Yano S, Hayashi K, Hayashi N, Tanaka M, Naitoh I, Ban T, Miyabe K, Kondo H, Yoshida M, Fujita Y, Hori Y, Natsume M, Murakami T, Narumi A, Nomoto A, Naiki-Ito A, Takahashi S, Joh T. |
雑誌名: |
Mol Cancer Ther. |
コメント: |
癌に対する低侵襲な光線力学療法が注目されるなか,Warburg効果を利用することで高い腫瘍選択性と抗腫瘍効果を示す水溶性光感受性物質であるマルトトリオース連結クロリンを共同開発しました.今回は未だ有効な治療法のない腹膜播種を有する膵癌に対して有効性を示し,膵癌腹膜播種巣への治療・制御方法の新しい選択肢として提案させて頂きました.共同研究者の先生方,また実験にご協力頂いた方々に深く感謝申し上げます。(加藤) 未だ有効な治療法が確立されていない膵癌の腹膜播種に対する新規光感受性物質を用いた光線力学療法の仕事です.今後の益々の発展が期待されます.マウスのルシフェラーゼの画像が美しいです.共同研究者の奈良先端大 矢野教授,大阪府立大 野元先生,山形大鳴海先生,名市大実験病態病理学の高橋教授,教室員の先生方に厚く御礼申し上げます。(片岡) |
A multicenter randomized trial comparing rabeprazole and itopride in patients with functional dyspepsia in Japan: NAGOYA study.
受理日: |
2017年2月24日 |
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Authors: |
Kamiya T, Shikano M, Kubota E, Mizoshita T, Wada T, Tanida S, Kataoka H, Adachi H, Hirako M, Okuda N, Joh T. |
雑誌名: |
J Clin Biochem Nutr. |
コメント: |
機能性ディスペプシア治療の第一選択薬にはプロトンポンプ阻害薬(PPI)もしくは消化管運動機能改善薬があげられるが、両者を直接比較した研究は極めて少ない。本研究は第一線の開業医、一般病院、大学病院を含めた多施設共同で、機能性ディスペプシアに対してPPIの一つrabeprazoleと消化管運動機能改善薬のitopuridoの治療効果を検討した無作為比較試験である。そして欧米人に比し胃酸分泌能が低く、H.pylori陽性率が高いとされる日本人の機能性ディスペプシアにおいても、PPIによる胃酸分泌抑制療法は有効であることを明らかにした。またこの結果は、Cochraneデータベース、レビューにも引用された。(神谷) |
Urinary kallikrein 10 predicts the incurability of gastric cancer.
受理日: |
2017年2月22日 |
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Authors: |
Shimura T, Ebi M, Yamada T, Yamada T, Katano T, Nojiri Y, Iwasaki H, Nomura S, Hayashi N, Mori Y, Kataoka H, Moses MA, Joh T. |
雑誌名: |
Oncotarget. |
コメント: |
尿中バイオマーカー研究paperの第2弾で、尿中KLK10の濃度測定が胃がん根治度予測に有用であることを示したものです。症例・検体集積にご協力いただきました当院ならびに共同研究施設の先生方に深く感謝申し上げます。さらなる、今後の発展につなげたいと思います。(志村) |
Adalimumab therapy in a patient with Crohn’s disease with a giant pelvic paraganglioma after chenotherapy.
受理日: |
2017年2月17日 |
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Authors: |
Mizoshita T, Ando M, Sagawa H, Mori Y, Katano T, Ozeki K, Tanida S, Okamoto Y, Shimura T, Kubota E, Kataoka H, Kamiya T, Joh T. |
雑誌名: |
Clin J Gastroenterol. |
コメント: |
非常に稀な炎症性腸疾患の1例(骨盤内の巨大傍神経節腫の化学療法後にクローン病を発症した1例、adalimumab治療により寛解)を経験したので報告しました。(溝下) |
Predictors of stent dysfunction after self-expandable metal stent placement for malignant gastricoutlet obstruction: tumor ingrowth in uncovered stent and migration of covered stent.
受理日: |
2017年2月15日 |
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Authors: |
Hori Y, Naitoh I, Hayashi K, Ban T, Natsume M, Okumura F, Nakazawa T, Takada H, Hirano A, Jinno N, Togawa S, Ando T, Kataoka H, Joh T. |
雑誌名: |
Surg Endosc. |
コメント: |
胃十二指腸ステント機能不全の主原因であるUncovered SEMSのIngrowth、Covered SEMSのMigrationに焦点を当てて解析を行わせていただきました。化学療法を施行する患者にはUncovered SEMSを、Covered SEMSを挿入する際には長いステントを選択するべきであると提唱させていただきました。ご協力いただきました関連病院の先生方に心より御礼申し上げます。(堀) 悪性胃十二指腸狭窄に対する十二指腸Uncovered SEMS、Covered SEMSにおけるステント機能不全の危険因子を多数例で検討した内容であり、今後のステント選択の指標になる論文だと思います。症例の集積に御協力頂いた先生方、どうもありがとうございました。(内藤) |