2024年 Accept論文

The landscape of 142 Epstein–Barr viral whole genomes in gastric cancer

受理日:

2024年10月30日

Authors:

Yuki Kojima, Motoharu Hamada, Azumi Naruse, Kimitoshi Goto, Htet Thiri Khine, Haruto Arai, Yuta Akutsu, Akira Satou, Masato Nakaguro, Seiichi Kato, Yasuhiro Kodera, Yasushi Yatabe, Yuka Torii, Jun-ichi Kawada, Takayuki Murata, Hiroshi Kimura, Shuji Takiguchi, Hiroshi Inagaki, Hiromi Kataoka, Yusuke Okuno

 雑誌名

Journal of gastroenterology

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Epstein-Barrウイルス(EBV)はDNAウイルスです。EBVの特別な亜型が上咽頭癌と関連することや、ウイルスゲノムに生じる大きな欠損が血液悪性疾患と関連することが知られています。しかしながらEBV関連胃がんにおけるウイルスゲノムの理解は進んでいません。この報告では、当院の症例を含む全142例のEBV関連胃がんから得られたEBVゲノムを全ゲノム解析し報告させていただきました。研究・論文作成につきご指導いただきましたウイルス学奥野教授、また論文作成につきご協力いただきました共著者の先生方に厚く御礼申し上げます。(小島)

ウイルス学教室の奥野教授のご指導のもと、過去最多の142例のEBV関連胃がん症例でのウイルスゲノムの詳細な解析の報告です。採択率6~7%の厳しい基準で知られる日本消化器病学会のオフィシャルジャーナル、Journal of Gastroenterology (JG)において、小島先生はこの1年間で2本目の採択となりました。今後のさらなる活躍を期待します。(片岡)

Innovative use of a 3-Fr microcatheter for precision guidewire placement with digital single-operator cholangioscopy for pancreaticobiliary drainage (with video)

受理日:

2024年10月08日

Authors:

Akihisa Adachi, Michihiro Yoshida, Yasuki Hori, Akihisa Kato, Kenta Kachi, Hidenori Sahashi, Tadashi Toyohara, Kayoko Kuno, Yusuke Kito, and Hiromi Kataoka

 雑誌名

Scientific reports

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2021年にハナコメディカルと吉田先生が開発された胆膵内視鏡診療用3Frマイクロカテーテルについて、胆管・膵管狭窄に対する経口胆道鏡下での使用成績をまとめた報告になります。3Frマイクロカテーテル無しでは全くapproach不可であった狭窄に対し同カテーテルを追加使用することで、ガイドワイヤー通過やドレナージなどの技術的な成功率が約86%まで上昇することを報告しています。現場で使用する際にも、インターベンション困難例やトラブルシューティング時などに非常に有効な手段の一つであると体感しており、その通りの結果を示すことができました。論文添付の動画作成等にも携わらせていただき、ご指導いただいた吉田先生をはじめ、共著の皆様に厚く御礼申し上げます。(安達)

胆道鏡下に使用できる専用カテーテルを作りたい」というコンセプトから3Frマイクロカテーテルが生まれました。この有用性を臨床データでの証明に加え、実験モデルをハンドメイドで作製してわかりやすく証明し論文化してくれました。安達先生、このテーマを丁寧に仕上げてくれてありがとうございました。研究において、基礎・臨床両面でのますますのご活躍を期待しております。(吉田)

Low incidence of deep vein thrombosis after double-balloon endoscopy and colorectal submucosal dissection: A multicenter, prospective study

受理日:

2024年10月28日

Authors:

Tomoya Sugiyama*, Takahito Katano*, Takaya Shimura, Masahide Ebi, Takanori Ozeki, Takashi Mizushima, Yoshikazu Hirata, Keisuke Itoh, Keiji Ozeki, Yoshiharu Yamaguchi, Ryo Ishihara, Kazuhiro Yamamoto, Yusuke Mizuno, Kazuhiro Nagao, Yuki Inagaki, Kunio Kasugai, Hiromi Kataoka. *,  co-first author

 雑誌名

Endoscopy International Open

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深部静脈血栓症(DVT)は全身麻酔後の術後合併症として広く知られていますが、内視鏡処置後のDVTリスクについては全くわかっていません。本研究は、長時間要する代表的な内視鏡処置として、大腸ESDと小腸ダブルバルーン内視鏡検査(DBE)後のDVT発症リスクを検証した、世界初の多施設共同前向き臨床研究です。驚くべきことに、238例中、術後DVTはわずか1例(0.4% [95%CI, 0-1.2])にみとめたのみであり、侵襲的内視鏡処置後のDVTのリスクは極めて低いことを、初めて見出すことができました。本研究は、大腸ESDコホートは愛知医大:杉山先生、小腸DBEコホートは当大学:片野先生が、研究事務局として研究の計画・遂行、論文作成に多大な貢献をしていただきました。

本研究に際し、多大なご協力いただきました、研究参加施設の先生方、超音波技師の方々に厚く御礼申し上げます。(志村)

Ensuring safe retrieval of migrated metal stent using endoscopic sheath device

受理日:

2024年10月13日

Authors:

Yoshiki Okamoto, Kenta Kachi, Akihisa Kato, Michihiro Yoshida, Hiromi Kataoka.

 雑誌名

Journal of Gastrointestinal and Liver Diseases

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膵・胆道系疾患における金属ステントの迷入は時に回収に非常に難渋します。今回、加藤先生のご指導の下、内視鏡用イントロデューサー「EndoSheather」を活用し、胆管内に迷入した金属ステントを安全に回収する事に成功した一例を報告いたしました。本論文作成に関しましてご指導頂きました加藤先生をはじめ、共著先生方に厚く御礼申し上げます(岡本)

Factors associated with low hepatitis B surface antigen levels in chronic hepatitis B patients treated with nucleot(s)ide analogues

受理日:

2024年10月11日

Authors:

Takanori Suzuki, Kentaro Matsuura, Takako Inoue, Hayato Kawamura, Kei Fujiwara, Hiromi Kataoka, Yasuhito Tanaka.

 雑誌名

Hepatology Research

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B型慢性肝疾患診療における長期目標はHBsAgの消失であるfunctional cureが提唱されていますが、達成できる症例は多くない現状があります。また、慢性B型肝炎の治療薬である核酸アナログ製剤中止時にHBsAg<100・10IU/mLの患者において、その後、高率にHBsAg消失(<0.05IU/mL)が達成できることが報告されております。以上の背景から本検討は核酸アナログ製剤内服開始後長期の経過においてHBsAg<100IU/mLとなる割合は経時的に増加していくことと、その達成に関わる因子について検討し報告したものになります。御協力いただきました先生方に深謝申し上げます。(鈴木)

当院において長期間フォローアップしたB型慢性肝炎患者の大変貴重なデータから、核酸アナログ製剤中止を考慮するための大変重要な知見を見出しました。肝癌のみならず、B型肝炎、C型肝炎、肝線維化関連の臨床研究も、鈴木孝典先生がフル回転で形にしてくれています。(松浦)

Feasibility of newly designed rotatable sphincterotome for endoscopic sphincterotomy (with video)

受理日:

2024年9月9日

Authors:

Hori Y, Hayashi K, Naitoh I, Okumura F, Anbe K, Miyabe K, Hirano A, Takada H, Jinno N, Yoshida M, Kato A, Kachi K, Sahashi H, Adachi A, Toyohara T, Kuno K, Kito Y, Kataoka H

 雑誌名

Endoscopy International Open

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ASAHI INTECC社と名市大との産学連携で、回転機能を有する新設計の切開ナイフデバイスを開発しております。その評価を机上実験で行い、その有用性を報告させていただきました。市場販売までにはもう少し時間を要しますが、このデバイスは目的とした方向に切開するための新たな選択肢になると確信しています。ご協力・ご指導いただきました共同研究者の先生方に厚く御礼申し上げます。(堀)

胆膵治療の基本手技である乳頭括約筋切開術(EST)における機器開発をASAHI INTECC社と名市大の産学連携による医療研究開発事業として行ってきました。EST時に切開方向が各種因子により不安定となり、難渋することが少なからずありました。そのような際に有用な回転機能を有する新設計ESTデバイスを開発・評価し論文化いたしました。報告した知見は、より容易で正確なESTに貢献する可能性があると確信しています。関連病院の皆様方にはご協力ご指導いただき、関わられた全ての先生方に厚く御礼申し上げます。(林香月)

Poor tolerability of lenvatinib in elderly patients with advanced hepatocellular carcinoma after disease progression following first-line atezolizumab plus bevacizumab: A multicenter study

受理日:

2024年9月7日

Authors:

Daisuke Kato, Takanori Suzuki (co-first author), Kentaro Matsuura, Kohei Okayama, Fumihiro Okumura, Yoshihito Nagura, Satoshi Sobue, Katsumi Hayashi, Atsunori Kusakabe, Izumi Hasegawa, Sho Matoya, Tsutomu Mizoshita, Yoshihide Kimura, Hiromu Kondo, Atsushi Ozasa, Hayato Kawamura, Kei Fujiwara, Shunsuke Nojiri, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Oncology

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本研究は切除不能肝細胞癌に対する1次全身薬物療法としてアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法施行例において2次治療として導入したレンバチニブの忍容性が高齢者で劣ることを見出して、論文化したものになります。本検討は名市大関連多施設共同肝疾患研究グループ(Sakurayama liver study group: SLSG)による第6報であり、御協力いただきました関連病院の先生方に深謝申し上げます。今後も関連病院共同研究において更なる検討・論文化ができればと思いますので、引き続き、御協力の程、何卒お願い申し上げます。(鈴木)

本論文は、SLSGによる切除不能肝細胞癌に対するアテゾリズマブ・ベバシズマブ投与例における検討の5報目で、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の加藤大介先生、大学の鈴木孝典先生をco-first authorとしてまとめていただきました。関連病院を含む若い先生方の力で着実に成果を重ねることができています。今後ともよろしくお願い申し上げます。(松浦)

Potential of Anti-Leukotriene Drugs as New Therapeutic Agents for Inhibiting Cholangiocarcinoma Progression

受理日:

2024年7月18日

Authors:

Yusuke KitoKenta KachiMichihiro YoshidaYasuki HoriAkihisa KatoHidenori SahashiTadashi ToyoharaKayoko KunoAkihisa AdachiKenji Urakabe, and Hiromi Kataoka

 雑誌名

Molecules

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診断時に進行例が多く、さらに薬物療法による予後改善効果も決して高くない胆道癌に対する新たな治療のアプローチとして、抗アレルギー薬の一種である抗ロイコトリエン薬の効果を研究しました。臨床検体を用いて体内におけるロイコトリエンの局在を明らかにするとともに胆道癌手術検体の癌部にロイコトリエンのレセプターが高発現しており、十分に治療ターゲットとなりうることを明らかにしました。また細胞研究では胆道癌細胞株に対し、作用機序の異なる2種類の抗ロイコトリエン薬の抑制効果とそれらを同時投与することによる効果相乗を明らかにし報告しました。大学院の研究成果として論文報告することができ、大変嬉しく思います。研究立案、実験や論文作成にあたりご指導いただきました加地先生をはじめとするご指導賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。(鬼頭)

抗ロイコトリエン薬を胆道癌に対しDrug repositioning(既存の薬剤を新たな疾患の治療薬として使用する戦略)として応用できる可能性を模索しました。胆道癌細胞株を用いた実験系により増殖能・遊走能の抑制効果およびそのメカニズムを明らかにした貴重なデータと考えております。ご指導いただきましたグループの先生方に深く御礼申し上げます。(加地)

Efficacy of antiviral therapy for the prevention of mother‐to‐ child transmission of hepatitis B virus and the risk of postpartum hepatitis flare after discontinuation of antiviral therapy

受理日:

2024年4月8日

Authors:

Hayato Kawamura,  Kentaro Matsuura, Koichi Ito, Takanori Suzuki, Kei Fujiwara, Tokio Sugiura, Hiromi Kataoka, Yasuhito Tanaka

 雑誌名

Hepatology Research

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2022年6月改訂の日本肝臓学会B型肝炎治療ガイドラインによる推奨前から実施していた母子感染予防のための核酸アナログ投与に関する臨床研究について、核酸アナログ投与の有効性や産褥期の肝障害について報告しました。特に、産褥期の肝障害は出産後の核酸アナログ中止時期と重なることが多く、B型肝炎の悪化との区別が難しいことが多いです。核酸アナログの有効性とともに、複数の症例を用いて産褥期肝障害の経過を示し、貴重な報告となりました。今後の臨床の指標となることを期待しています。論文作成に際しご指導いただいた松浦先生をはじめ、本研究に関与されたすべての先生方に感謝申し上げます。(河村)

本研究は2014年9月より名古屋市立大学小児科の杉浦時雄先生(現杉浦こどもクリニック)、伊藤孝一先生(現名古屋市立大学医学部附属東部医療センター)により主導された臨床研究で、今回、母親側の臨床経過に着眼し論文化いたしました。これまでに、国内では同様の研究はなく、臨床的に大変重要な知見を報告いたしました。杉浦先生、伊藤先生に心より深謝申し上げます。(松浦)

HBs抗体基準値内のためHBV再活性化非モニタリング下にde novo B型肝炎を発症した1例

受理日:

2024年2月19日

Authors:

河村逸外,祖父江聡, 原田貴仁, 山本友輝, 隅井大介, 池内寛和, 林則之, 平田慶和, 高田博樹, 鈴木孝典, 小島悠揮, 松浦健太郎, 藤原圭, 片岡洋望

 雑誌名

肝臓

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前病院で経験した症例について報告いたしました。De novo B型肝炎は重症化すると死亡率が高くなります。適切なモニタリングを行っていれば早期の介入が可能ですが、今回の症例はガイドラインのモニタリング適応例には該当しませんでした。異常の有無だけでなく、検査結果を深く読み込むことの重要性を改めて認識いたしました。大変貴重な報告となり、論文作成にあたりご指導いただいた先生方に深く感謝申し上げます。(河村)

一般病院で経験したHBs抗体陰性高値、HBc抗体陰性でHBV再活性化した非常にまれなケースについてまとめていただきました。今のガイドラインの盲点を突く考察で、大きなインパクトを与える報告になったと思います。大学の先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。(春日井市民病院 祖父江)

Clinical performance of assays for circulating HBV RNA and iTACT-HBcrAg in chronic hepatitis B patients negative for HBeAg and/or with HBsAg seroclearance

受理日:

2024年7月10日

Authors:

Takanori Suzuki, Kentaro Matsuura, Takako Inoue, Keiko Sasada, Shintaro Ogawa, Takehisa Watanabe, Hayato Kawamura, Kei Fujiwara, Hiromi Kataoka, Yasuhito Tanaka

 雑誌名

Journal of Medical Virology

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B型肝炎の活動性には肝細胞内のcccDNAの活動性が重要とされておりますが、こちらのcccDNAの活動性と相関するとされているiTACT-HBcrAgとCobas HBV-RNAの測定系を比較し、iTACT-HBcrAgの測定感度が高いことを報告しました。本研究の遂行、論文作成に際し御指導を頂きました共著者の方には、深謝申し上げます。(鈴木)

 HBV新規マーカーである高感度コア関連抗原、HBV RNA測定系の感度のみならず臨床的な有用性を含めて検討しました。世界におけるB型肝炎の次のブレイクスルーは新薬の開発ですが、我々は引き続き臨床的な検討を地道に続けて参ります。(松浦)

Utility of an innovative basket catheter for endoscopic removal of fragmented or small pancreatic stones

受理日:

2024年6月18日

Authors:

Akihisa Kato, Michihiro Yoshida, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciences

コメント

膵石治療は当院が得意とする分野であり、新しい知見を常に発信すべきと考えています。ESWLや膵管鏡下EHL後の破砕片の完全膵石除去がその後の再発防止に重要と考えますが、従来の結石除去デバイスでは不十分でした。ポケット様構造の多い拡張した膵管内における破砕片や微小膵石除去に適したバスケットカテーテルについて報告いたしました。(加藤)

Serum interleukin-6 levels at the start of the second course of atezolizumab plus bevacizumab therapy predict therapeutic efficacy in patients with advanced hepatocellular carcinoma: A multicenter analysis

受理日:

2024年6月17日

Authors:

Takanori Suzuki, Kentaro Matsuura, Yuta Suzuki, Fumihiro Okumura, Yoshihito Nagura, Satoshi Sobue, Sho Matoya, Tomokatsu Miyaki, Yoshihide Kimura, Atsunori Kusakabe, Satoshi Narahara, Takayuki Tokunaga, Katsuya Nagaoka, Shuko Murakami, Takako Inoue, Keita Kuroyanagi, Hayato Kawamura, Kei Fujiwara, Shunsuke Nojiri, Hiromi Kataoka, Yasuhito Tanaka

 雑誌名

Journal of Gastroenterology and Hepatology

コメント

本研究は切除不能肝細胞癌に対するアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法施行例における2コース目開始時の血清Interleukin-6 (IL-6)値が治療効果・予後の予測に有用であることを見出して、論文化したものになります。本検討は名市大関連多施設共同肝疾患研究グループ(Sakurayama liver study group: SLSG)による第5報であり、御協力いただきました関連病院の先生方に深謝申し上げます。今後も関連病院共同研究において更なる検討・論文化ができればと思いますので、引き続き、御協力の程、何卒お願い申し上げます。(鈴木)

肝細胞癌に対するがん免疫療法において、IL-6は腫瘍免疫微小環境に影響することが知られており、本研究の結果はその機構を考える上で大変興味深い知見となりました。各共同研究施設に皆様には、大変お忙しい中、保存血清検体ならびに臨床データを収集いただき深謝申し上げます。(松浦)

Asymptomatic pancreatic enlargement without pancreatic enzyme elevation: a rare case of immune checkpoint inhibitor-associated pancreatitis

受理日:

2024年5月9日

Authors:

Hori Y, Kawai T, Naiki-Ito A, Naitoh I, Yoshida M, Kato A, Kataoka H

 雑誌名

Gastroenterology Report (OXFORD ACADEMIC)

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免疫チェックポイント阻害剤の副作用関連膵炎(irAE膵炎)で画像上は膵臓が著名に腫大しているにも関わらず、症状や膵酵素異常がまったくないまれな症例を報告させていただきました。病理、放射線、論文作成につきご指導いただきました共著の先生方に厚く御礼申し上げます。(堀)

BRAF K601E-mutated metastatic colorectal cancer in response to combination therapy with encorafenib, binimetinib, and cetuximab: A case report

受理日:

2024年6月3日

Authors:

Makiko Sasaki, Takaya Shimura, Hirotada Nishie, Keita Kuroyanagi, Takuya Kanno, Shigeki Fukusada, Naomi Sugimura, Yusuke Mizuno, Takayuki Nukui, Konomu Uno, Yuki Kojima, Ruriko Nishigaki, Mamoru Tanaka, Keiji Ozeki, Eiji Kubota, Hiromi Kataoka

 雑誌名

World Journal of Gastrointestinal Oncology

コメント

BEACON療法が著効した非常に稀なBRAF変異(K601E)大腸癌症例を経験したため報告しました。本症例の変異は、初診時のパネル検査ではカバーされない非常に稀な変異であり、後に施行した遺伝子パネル検査で診断に至り治療に結びつきました。BRAF非V600E変異大腸癌に関する臨床的な病勢やそれに対する治療に関しては、今後の症例蓄積および検討が待たれる領域であり、その一端を担えたことを光栄に思います。実臨床での診断ならびに論文作成につき事細かに厚くご指導いただいた志村先生や、日々ご指導や助けていただいている共著の先生方に深く御礼申し上げます。(佐々木)

佐々木先生が、BRAFK601Eという大変稀な大腸癌に対する分子標的治療の可能性をとてもわかりやすくきれいにまとめてくれました。今後の治療開発の礎となる、貴重な症例と考えます。(志村)

血液透析中の切除不能肝細胞癌患者に対しデュルバルマブ・トレメリムマブ併用療法を導入し奏効が得られた1例

受理日:

2024年5月22日

Authors:

鈴木孝典、松浦健太郎、河村逸外、藤原圭、片岡洋望

 雑誌名

肝臓

コメント

血液浄化療法という全身化学療法が困難な切除不能肝細胞癌患者に対して、免疫チェックポイント阻害薬であるデュルバルマブ・トレメリムマブ併用療法を導入し奏功が得られた稀な症例を報告しました。(鈴木)

MicroRNA-223-3p levels in serum-derived extracellular vesicles predict regression of M2BPGi-based liver fibrosis after hepatitis C virus eradication by direct-acting antiviral agents.

受理日:

2024年5月2日

Authors:

Takanori Suzuki, Kentaro Matsuura, Yoshihito Nagura, Kyoko Ito, Shintaro Ogawa, Hayato Kawamura, Kei Fujiwara, Katsuya Nagaoka, Etsuko Iio, Takehisa Watanabe, Hiromi Kataoka, Yasuhito Tanaka

 雑誌名

Journal of Gastroenterology

コメント

これまでに我々はC型肝炎ウイルス排除後の肝線維化の改善と、血清Angiopoietin-2およびCXCL10レベルが関連することを報告してきました(Suzuki T et al. Hepatol Res 2022. 52(11):919-927.  Nagura Y and Suzuki T et al. Hepatol Res. 2024; 54: 32-42)。本研究は、これら先行論文と同一コホートにおいて、抗ウイルス治療終了後24週時の血清の細胞外小胞中のmiR-223-3pレベルが、ウイルス排除後の肝線維化改善に関連することを見出しました。本研究の遂行、論文作成に際し御指導を頂きました共著者の方には、深謝申し上げます。(鈴木)

動物モデルを用いた既報より細胞外小胞中のmiR-223-3pは肝線維化や炎症において機能的にも影響していると考えられ、ヒト検体を用いてRNA-seqによる網羅的解析から得られた本研究による結果は大変興味深い知見となりました。本研究は、大阪大学の竹原徹郎教授を代表とするAMED研究班の個別分担研究の一環として行った研究です。(松浦)

Clinical impact of proton pump inhibitor and potassium-competitive acid blocker for

Urinary dipeptidase 1 and trefoil factor 1 are promising biomarkers for early diagnosis of colorectal cancer.

受理日:

2024年4月25日

Authors:

Yusuke Okuda, Takaya Shimura, Yuichi Abe, Hiroyasu Iwasaki, Ruriko Nishigaki, Shigeki Fukusada, Naomi Sugimura, Mika Kitagawa, Tamaki Yamada, Ayumu Taguchi, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Journal of Gastroenterology

コメント

大腸癌の早期診断は内視鏡的治療などの効果的な治療介入と予後改善に寄与します。今回我々は、大腸癌の早期診断を可能にする尿中タンパクバイオマーカーを開発し、報告させていただきました。将来的に実用化に至ることを期待しています。共著者の先生方をはじめ、本論文作成にあたりご協力いただきました皆様、ならびに研究立案から論文作成までご指導いただきました志村先生に厚く御礼を申し上げます。(奥田)

奥田先生が海外留学前にしていた仕事を形にしてくれました。膨大なデータのまとめ、おつかれさまでした。(志村)

Clinical impact of proton pump inhibitor and potassium-competitive acid blocker for predicting the curability of endoscopic resection in ulcerative early gastric cancer.

受理日:

2024年2月1日

Authors:

Konomu Uno, Takaya Shimura, Shingo Inaguma, Keita Kuroyanagi, Ruriko Nishigaki, Takuya Kanno, Makiko Sasaki, Shigeki Fukusada, Naomi Sugimura, Yusuke Mizuno, Takayuki Nukui, Yuki Kojima, Mamoru Tanaka, Keiji Ozeki, Eiji Kubota, Satoru Takahashi, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Digestion

コメント

潰瘍合併早期胃癌の内視鏡的治癒切除の予測に関わるPPI・P-CABの有用性について検証した論文です。潰瘍合併例は一般に悪性度が高く、“Malignant cycle”で知られている、潰瘍が改善・増悪を繰り返す所見の影響で術前診断が非常に難しいといわれています。本研究は潰瘍の形態変化と臨床転帰の関係に着目し、PPI・P-CABの投与によりESDで治癒切除が可能となる病変か否かを選別できる可能性について報告させて頂きました。今回の成果が潰瘍合併例の病態生理の理解に役立ち、診断精度向上の一助になれば幸いです。本論文作成にあたり御指導下さいました志村先生をはじめ、共著者の皆様に厚く御礼申し上げます。(宇野)

潰瘍を伴う早期胃癌のESD後治癒切除を、予測できる新たな知見を見出し、宇野先生が報告してくれました。宇野先生は、たくさんのデータを何度もみかえしていただき、大変よい仕事をしていただけました。本方法は、日常臨床でも大変有用であり、当院では早速使用しています。また、本研究に多大なご協力をいただきました、実験病態病理学の稲熊先生に感謝いたします。(志村)

Percutaneous single-operator cholangioscopy-assisted antegrade biliary recanalization with over-the-wire 3F microcatheter manipulation.

受理日:

2023年12月22日

Authors:

Akihisa Adachi, Michihiro Yoshida, Yasuki Hori, Akihisa Kato, Kenta Kachi, Hidenori Sahashi, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Endoscopy International Open

コメント

胃癌術後再発による遠位胆管狭窄、閉塞性黄疸症例に対してPTBD経路からの胆道鏡のみではガイドワイヤーの狭窄突破ができず、3Frのマイクロカテーテルの併用が有用であった症例の報告をさせていただきました。帰局後すぐに貴重な症例を経験させていただきました。お忙しい中処置や論文作成のご指導をいただいた吉田先生をはじめ、共著の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。(安達)

Induction of ferroptosis by photodynamic therapy and enhancement of antitumor effect with ferroptosis inducers.

受理日:

2023年10月9日

Authors:

Yuki Kojima, Mamoru Tanaka, Makiko Sasaki, Keiji Ozeki, Takaya Shimura, Eiji Kubota, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Journal of Gastroenterology

コメント

制御された細胞死の一つであるフェロトーシスをテーマに田中先生のご指導の下、研究を行ってきました。PDTにより様々な細胞死が誘導されますが、その細胞死の一部としてフェロトーシスが誘導され、またフェロトーシス誘導物質併用PDTにより抗腫瘍効果が増強することについて報告させていただきました。大学院の研究成果として報告することができ、大変嬉しく思います。研究立案、実験や論文作成にあたりご指導いただきました田中先生はじめ、皆様に厚く御礼を申し上げます。(小島)

論文の採択、本当におめでとうございます。初めての抄読会で、論文をしっかりと読み込んできたことに驚いたことを思いだします。その後も熱心に研究を遂行し、努力されてきたことが成果につながったと思います。。今後もこの成果をベースにさらなる研究や展開を行っていくことを期待しています。(田中)

Serum angiopoietin-2 levels predict the development of hepatocellular carcinoma following hepatitis C virus eradication using direct-acting antiviral agents.

受理日:

2024年1月1日

Authors:

Takanori Suzuki, Kentaro Matsuura, Yoshihito Nagura, Hayato Kawamura, Kei Fujiwara, Shintaro Ogawa, Katsuya Nagaoka, Etsuko Iio, Takehisa Watanabe, Hiromi Kataoka, Yasuhito Tanaka

 雑誌名

Oncology

コメント

これまでに我々はC型肝炎ウイルス排除後の肝線維化の改善と、血清Angiopoietin-2(Ang-2)およびCXCL10(IP-10)が関連することを報告してきました(Suzuki T et al. Hepatol Res 2022. 52(11):919-927.  Nagura Y, and Suzuki T et al. Hepatol Res 2023 Online ahead of print)。本研究は、これら先行論文と同一コホートにおいて、抗ウイルス治療終了後24週時(SVR24)の血清Ang-2が、HCV排除後の肝発癌の予測に有用であることを示し報告しました。本研究の論文作成に関しては共著者の方には御指導を頂き、深謝申し上げます(鈴木)。

本研究により、血清Ang-2値がSVR後の肝線維化の改善のみならず、肝発癌に関わることも示しました。なお、本研究は、大阪大学の竹原徹郎教授を代表とするAMED研究班の個別分担研究の一環として行った研究です(松浦)。

Prognostic nutritional index after introduction of atezolizumab with bevacizumab predicts prognosis in advanced hepatocellular carcinoma: A multicenter study.

受理日:

2024年1月3日

Authors:

Takanori Suzuki, Kentaro Matsuura, Yuta Suzuki, Fumihiro Okumura, Yoshihito Nagura, Satoshi Sobue, Daisuke Kato, Atsunori Kusakabe, Hiroki Koguchi, Izumi Hasegawa, Sho Matoya, Tomokatsu Miyaki, Yoshihide Kimura, Yoshito Tanaka, Hiromu Kondo, Atsushi Ozasa, Hayato Kawamura, Kayoko Kuno, Kei Fujiwara, Shunsuke Nojiri, Hiromi Kataoka.

 雑誌名

Oncology

コメント

本研究は切除不能肝細胞癌に対する薬物療法の第1選択であるアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法施行例の2コース目開始時のPNI: prognostic nutritional indexが治療効果・予後の予測に有用であることを見出して、論文化したものになります。本検討は名市大関連多施設共同肝疾患研究グループ(Sakurayama liver study group: SLSG)による第4報であり、御協力いただきました関連病院の先生方に深謝申し上げます。今後も関連病院共同研究において更なる検討・論文化ができればと思いますので、引き続き、御協力の程、何卒お願い申し上げます(鈴木)。

SLSG各施設において収集して頂いた臨床データを検討し論文化いたしました。関係各位に深謝申し上げます。なお、本論文の検討内容にて、名古屋市立大学病院東部医療センターの佐藤椋先生に肝臓学会西部会の主題にて発表して頂きました(松浦)。