2020年 Accept論文

 

Novel urinary protein biomarker panel for early diagnosis of gastric cancer

受理日:

2020年8月26日

Authors:

Takaya Shimura, Delphine Dayde, Hong Wang, Yusuke Okuda, Hiroyasu Iwasaki, Masahide Ebi, Mika Kitagawa, Tamaki Yamada, Tomonori Yamada, Samir M. Hanash, Ayumu Taguchi, Hiromi Kataoka

 雑誌名

British Journal of Cancer

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尿中に微量に含まれる3種類のタンパクを用い、早期胃癌をも高感度に同定可能な尿中診断バイオマーカーパネルを樹立しました。研究開始から約4年、論文投稿から約1年かかり苦労しましたが、とても思い入れのある研究のひとつとなりました。網羅的質量分析に際し、多大なご助力をいただいたMD Anderson Cancer Centerの田口先生(現、愛知県がんセンター)およびプロテオミクスグループの先生方、リバイス時の解析に懇親的に協力していただいた大学院生の奥田先生に感謝いたします。(志村)

 

Intentional Endoscopic Nasopancreatic Drainage to a Pancreatic Fistula for
Disconnected Pancreatic Duct Syndrome

受理日:

2020年8月26日

Authors:

Hori Y, Hayashi K, Naitoh I, Yoshida M, Kataoka H

 雑誌名

Endoscopy

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急性/慢性膵炎後の膵管破綻症候群(Disconnected Pancreatic Duct Syndrome:DPDS)は治療に難渋する疾患です。完全破綻(Completed-DPDS)は手術治療が基本ですが、今回意図的にENPDチューブを膵液漏内に留置して、その環境を整えることにより、内視鏡的完治を成し遂げた症例の報告をさせていただきました。膵機能温存の観点からも膵切除術を回避できた有用な治療法と考えます。論文作成にあたりご指導いただきました林香月先生・内藤格先生、処置ご一緒いただきました吉田道弘先生に厚く御礼申し上げます。(堀)

 

Serum exosomal Dicer is a useful biomarker for early detection of differentiated gastric adenocarcinoma

受理日:

2020年8月17日

Authors:

Yusuke Okuda, Takaya Shimura, Hiroyasu Iwasaki, Takahito Katano, Mika Kitagawa, Ruriko Nishigaki, Shigeki Fukusada, Makoto Natsume, Mamoru Tanaka, Hirotada Nishie, Keiji Ozeki, Tamaki Yamada, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Digestion

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消化管癌の非侵襲的な診断バイオマーカーは未だ確立していませんが、今回血清エクソソーム含有Dicerが分化型胃癌の早期診断バイオマーカーとして有用であることを報告しました。最初に抄読会でエクソソーム中のDicerの存在についてご紹介いただきました岩崎先生、お忙しいなか研究立案から論文作成まで丁寧にご指導いただきました志村先生をはじめ、ご協力いただきました共著者の皆様に心より感謝申し上げます。(奥田)

われわれが定期的にしている抄読会の基礎論文の知見からヒントをえて、奥田先生が大学院生として4本目のpaperをきれいに形にしてくれました。おつかれさまでした。(志村)

 

Combined transpapillary drainage and EUS-guided hepaticoduodenostomy after failed manipulation under cholangioscopy guidance

受理日:

2020年6月18日

Authors:

Yasuki Hori, Kazuki Hayashi, Itaru Naitoh, Michihiro Yoshida, Makoto Natsume, Hidenori Sahashi, Hiromi Kataoka

 雑誌名

Endoscopy

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超音波内視鏡を使用する胆管ドレナージ(EUS-BD)は近年目覚ましい進歩を遂げています。基本は肝左葉、総胆管からのドレナージが多いのですが、悪性肝門部胆管狭窄の場合、両者ともに困難な場合が存在します。今回、いままで世界で10例強しか報告のない十二指腸からの肝右葉ドレナージ(EUS-HDS; endoscopic ultrasound-guided hepaticoduodenostomy)について、林香月先生の卓越した技術・治療指針を、グループの一員として報告させていただきました。ご指導いただきました林香月先生ありがとうございました。(堀)

 

The first management using intubation of a nasogastric tube with Gastrografin enterography or long tube for non-strangulated acute small bowel obstruction:                  A multicenter, randomized controlled trial

受理日:

2020年6月18日

Authors:

Katano T, Shimura T, Nishie H, Iwai T, Itoh K, Ebi M, Mizuno Y, Togawa S, Shibata S, Yamada T, Mizushima
T, Inagaki Y, Kitagawa M, Nojiri Y, Tanaka Y, Okamoto Y, Sugiura M, Matoya S, Nagura Y, Inagaki Y,
Koguchi H, Ono S, Ozeki K, Hayashi N, Takiguchi S, Kataoka H

 雑誌名

Journal of Gastroenterology

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非絞扼性小腸イレウスに対するNGチューブ+ガストログラフィンとロングチューブを比較した多施設共同
ランダム化比較試験の結果です。「癒着性小腸イレウスにロングチューブ留置が必要なのか」という日常
診療における問いから始まり、第一選択としての「NGチューブ+ガストログラフィン」治療の有用性を証
明することができました。まさに癒着性小腸イレウス診療の教科書を変えるエビデンスを構築できたと自
負しております。私自身、試験デザイン・プロトコール作成から関わった初めての臨床試験であり、論文
作成に至るまで丁寧にご指導いただきました志村先生、事務局・結果の解析などに協力いただいた西江先
生、ならびに、日常診療で多忙な中で、救急疾患でありながら200例をも超える多数の症例登録に協力い
ただきました各施設のすべての皆様に厚く御礼を申し上げます。(片野)

日常臨床で頻繁に遭遇する小腸イレウスに対する、世界最大規模のRCTの非劣性試験結果です。救急疾患
でありながら、予定より早いわずか2年4ヶ月の間に11施設から224例の症例登録が完了したことは、われ
われのグループの極めて高いアクティビティーを証明するとともに、大変ご多忙な日常診療の間にご協力
いたいた関連施設の先生方に深く深く感謝いたします。また、試験立案~開始・遂行~論文作成まで粘り
強くうまくまとめあげてくれた片野先生、おめでとうございます、そしておつかれさまでした。(志村)

 

Incidental Ectopic Posterior Pituitary in an Adult

受理日:

2020年5月7日

Authors:

Tomohiro Tanaka, Hiroyuki Koyama, Daisuke Aotani, Hirotaka Ohara

 雑誌名

BMJ Case Reports

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一過性の頭痛の原因検索のための頭部CT検査で、視交叉背側の占拠性病変として発見された異所性下垂体後葉の症例報告です。MRIでは下垂体柄が同定できませんでしたが、前葉・後葉機能はいずれも正常に保持されており、下垂体門脈血流は保たれているものと考えられました。下垂体機能障害を伴わない異所性下垂体後葉は珍しいものと考えられ、その存在の周知のため報告しました。(田中)

 

Omental adipocytes promote peritoneal metastasis of gastric cancer through the CXCL2-VEGFA axis

受理日:

2020年4月29日

Authors:

Makoto Natsume, Takaya Shimura, Hiroyasu Iwasaki, Yusuke Okuda, Kazuki Hayashi, Satoru Takahashi,
Hiromi Kataoka

 雑誌名

British Journal of Cancer

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胃癌の腹膜転移への進展に、脂肪細胞である大網が関与するのではないかと推測し、大学院でのメイン実
験として行ってきました。各種実験結果より、大網脂肪組織がCXCL2-VEGFA axisを介して、胃癌細胞増
殖・浸潤・血管新生能を促進し、腹膜転移を誘発することを見出し報告させていただきました。なんとか
やり遂げることができて大変嬉しく思います。お忙しい中、御丁寧に御指導くださいました志村先生はじ
め、御協力いただきました共著者の皆様と胆膵グループの皆様に心より感謝申し上げます。(夏目)

「なぜ胃癌に腹膜転移が多いのか?という謎」のメカニズムの一因として、大網中の脂肪細胞が微小環境
として重要な役割を果たすことを多角的に証明してくれました。夏目先生が大学院生として、とても多く
の実験を根気よくやり遂げ、今後のわれわれの研究の礎となる大変重要なデータをだしてくれました。お
めでとうございます、そして、おつかれさまでした。(志村)

 

Pemafibrate, a selective PPARα modulator, and fenofibrate suppress microglial activation through distinct PPARα and SIRT1-dependent pathways.

受理日:

2020年1月21日

Authors:

Ogawa K, Yagi T, Guo T, Takeda K, Ohguchi H, Koyama H, Aotani D, Imaeda K,  Kataoka H, Tanaka T

 雑誌名

Biochemical and Biophysical Research Communications

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近年、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の上流には、マイクログリアの活性化によるNeuroinflammationが存在することに注目が集まっています。フィブラート系のPPARαリガンドは脂質異常症治療薬として日常臨床で使用されますが、抗炎症効果を併せ持つことが報告されています。新規脂質異常症治療薬、選択的PPARαモジュレーター、ペマフィブラートによる抗炎症効果と作用機序を解析し、従来のフィブラート薬とは異なるメカニズムを介することを発見しました。ご指導頂きました田中先生をはじめ、ご協力頂いた方々に深く感謝申し上げます。(小川)

 

糖尿病や肥満症における脂肪組織や脳食欲中枢における軽度慢性炎症の病因論的意義が確立されつつあります。小川先生はマイクログリア細胞株を用いた根気強い研究により、フィブラート系の脂質異常症治療薬による炎症抑制機序の一端を解明しました。本研究の成果は、イムノメタボリズムという新学問領域に足跡を残すものであるとともに、「炎症を標的とした代謝疾患治療」という新しい創薬パラダイムに繋がることが期待されます。(田中智)